全社員一丸となって 働きやすい環境づくりへ  サントクコンピュータサービス(株)

サントクコンピュータサービスは、ワーク・ライフ・バランス推進の取組をいったん休止したものの、

全社員一丸となって再スタートを切りました。各自に、積極的に取り組むという意識が芽生えつつあり、

残業時間の削減、有給休暇取得率の向上など早速成果が出ています。


取組のポイント

★ 再雇用者による技能伝承教育を実施

★ 部署単位でアクションプランを策定

★ 有給休暇の半日取得を可能に


グループで話し合いを重ねWLBへの意識が向上。

「やらされている」活動から「自分たちが取り組む」活動に

変化してきています。


全社員でビジョンを共有

 同社は1990年に山陽特殊製鋼のシステム部門が分社化し、誕生。山陽特殊製鋼向けの基幹システムを

構築しているほか、グループ内外の企業のシステム構築、ソフト開発を手掛けています。

 各種福利厚生制度や有給休暇、育児休業などの制度は山陽特殊製鋼に準じて整えてきましたが、

残業が常態化し、高いスキルを持つ社員に仕事の負担が偏っていることが問題となっていました。

 ボトムアップの取組こそ効果的と考え、各職場の最小単位であるグループごとにリーダーを選出、

現状と社員の思いを知るべくヒアリングを実施しました。ところがその場で「会社からの押し付け感、

やらされ感が強く、どうせ取り組んでもできない」という意見が多く出てきたため、いったん活動を

中断しました。その経緯について総務部ワークライフバランス推進担当の井上真治課長は「リーダー層が

活動の責任を押し付けられていると思ってしまったようです」と振り返ります。

 全社で取り組む姿勢を示すため、全ての社員に従業員意識調査を行い、そこで出てきた課題の

解決を図るとともに、社長や管理職を含む全社員が一丸となって目指すこととしました。


社員が一堂に会して一人ずつ、

個人のワークとライフの目標を発表しました。


復活有休も半日の取得が可能に

 2016年7月、山名幹也社長が全社員の前でワーク・ライフ・バランスの全社ビジョンとして

「やりがい、充実感、健康」を掲げました。併せて各グループがアクションプランを宣言し、そして

社員一人一人が「ライフとワークの年度目標」を発表しました。例えば井上課長の目標は「家族旅行に行く

(ライフ)」「毎月必ず改善提案を出す(ワーク)」です。各グループの目標については皆で努力すれば

手が届く実現可能な内容としました。

 また、グループごとにワーク・ライフ・バランス実現のためのアクションプランの取組を開始し、

定期的に「リーダー座談会」を開催して情報共有を図り、山名社長らトップも参加しました。年度末には

アクションプランの結果発表会を開催。「ようやく自分たちでやる活動へと変化してきました」と

向井俊晴取締役は話します。

 残業の削減に向けては、管理職自ら率先して定時退社するとともに、職場への呼び掛けを励行。また、

社員のスキル水準を一定に引き上げるため、システムエンジニアならではの技術を伝えるべく、定年退職後の

再雇用者が活躍して特に難易度の高い仕事については文書化し、標準化を図りました。

 一方、取得し切れなかった有給休暇を30日まで繰り越せる復活有休制度については、取得理由の適用範囲を

子どもの看護、介護にも拡大。さらに、有給休暇と合わせて、復活有休にも半日取得を可能にしたことで、

取得率が向上しました。


発表した個人のワークとライフの目標を名刺サイズで作成し、

いつも携帯しています。


従業員意識調査を踏まえ一層の改善へ

 この結果、2015年度と2016年度を比較すると、1人当たりの月平均残業時間は24.9時間から18.9時間に、

有給休暇取得率は67%から77%に改善しました。2017年9月には第2回の従業員意識調査を実施し、

その結果を踏まえて次の課題に取り組み、社員にとって魅力的で誇れる職場を目指しています。

 山名社長は「できた時間を自己研さんに充てられるよう資格取得の支援制度も充実させています。

個々の成長が会社の成長にもつながっていけば」と取組のさらなる進展に期待を寄せています。


有休取得率は1年で10%も改善。

余暇を同僚と楽しく過ごすなど、自由な時間が増えています。


PROFILE

▶事業内容情報システム構築・運用・

コンサルティング

▶設立1990年7月

▶代表者山名 幹也

▶従業員数84人(男性65人、女性19人)

▶所在地姫路市飾磨区中島1547-1

http://www.santoku-cs.co.jp/

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