自然に恵まれた播州織の産地へ 桑村繊維(株) 多可町

奈良県生駒市⇒西脇市、多可町

自分の描いた柄が製品として並んでいるとうれしくなります


播州織をデザインする仕事に日々奮闘

 「『どうしてこんな田舎に』と聞かれることも多いのですが、正直、働く場所はどこでも良かったんです。織物関係でデザインや企画の仕事ができれば」と打ち明ける植田梨紗子さんは、山々に囲まれた多可町にある桑村繊維(株)に入社して2年目の社員です。

 大学院では、自ら染めた布を使って立体的な作品を制作していた植田さん。「一人で突き詰める職人の道ではなく、組織の中でみんなと作る方が合っている」と就職活動をする中で見つけたのが、播州織の産地で織物の企画から工場での製造、販売までを手掛ける同社でした。

 次々と新作を生み出し続ける同社では、部署ごとに営業と企画の担当者がチームを組み、常時、オリジナル商品や注文品のデザインを考えて製品化しています。植田さんは主に女性向け商品を扱う部署で、希望通り企画担当者として活躍中。生地の厚さや風合い、トレンドなどを考慮して柄を描き、営業担当者と話し合いながら修正を重ねていきます。「先日、自分がデザインした生地がワンピースとなって売られているのを見掛けて、本当にうれしかったです」

 隣の西脇市内にある会社が借り上げた社宅から職場までは、車で10分ほどの距離。「ちっちゃな山がぽこぽこと連なるフォルムがかわいいなと思いながら運転しています」と、周囲の自然は癒やしになっているそう。「近所には何でもそろっているから、生活する上で困ることはないですね。大阪へも2時間足らずで行けるので、休日は気軽に学生時代の友人たちと出掛けられますし」と、初の一人暮らしを満喫しています。

△播州織の産地用に開発された専用ソフトを使ってデザイン。

「他と比べて動きが速く、操作しやすいです」


Iターン

桑村繊維(株)勤務 植田梨沙子さん

奈良県生駒市生まれ。京都の美術系大学、大学院で染織を専攻し、繊維産業を中心に就職活動。自分に合っていると感じた桑村繊維(株)からの内定を機に、移動手段を確保するため自動車学校へ通い、運転免許を取得。2020年4月の入社以来、デザインも車の運転も着実にスキルアップ中。

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