山々に抱かれた酒造りの本場へ (株)西山酒造場 丹波市

富山県高岡市→大阪市⇒丹波市

商品開発に携われる喜びと責任 やりがいのある毎日です


周囲の優しさに触れながら酒造りに没頭

 小鼓ブランドで知られる(株)西山酒造場は、日本三大杜氏の一つ「丹波杜氏」の発祥の地で170年以上続く老舗の酒蔵です。清酒はもちろん、近年はブランデーやリキュールといった蒸留酒も製造。一昨年11月には、丹波ならではの素材を使用した兵庫県初のクラフトジンを発売しました。開発メンバーの一人に抜てきされたのが、当時入社して3カ月ほどの濱木さんです。「いつかは商品開発がしたいと思っていたので心躍りました」

 ジンは、どんな材料をどんな配合で入れるかで風味や香りが違ってくるので、試行錯誤がとても面白いそうです。評判を聞きつけた有馬温泉の関係団体からジン開発の依頼も。濱木さんが中心となり開発した“有馬土産になるジン”には、有馬山椒はもちろん、播磨のユズ、但馬のワサビ、丹波のブルーベリー、淡路の鳴門オレンジを使いました。「兵庫五国の特産を全て盛り込みたかった」と笑顔を見せます。

 清酒部門では蔵人の一人として米を洗い、蒸す作業を担当。「清酒造りは昔ながらの職人の技や勘が息づく世界。後世に引き継ぐためにも技や勘を数値化していければ」と、作業の傍らデータの収集に努めています。

 本社の2階にある寮が住まい。「入社前、1泊2日のインターンシップに参加した時、職場の皆さんが本当に温かくて。人と触れ合う社会人生活もいいなと思いました」。

最近は、近くの小学校で地域の人たちと一緒にスポンジテニスを楽しんでいるとか。心優しい山里で職住近接の暮らしを満喫しています。


△蒸留酒部門の作業場で。

ブランデーをかき混ぜてアルコール度合いを均一化します。


Iターン

(株)西山酒造場勤務 濱木大輔さん

富山県高岡市生まれ。大学進学で関西へ。大学では遺伝子組み換えの研究をしていたため、食品業界を中心に就職活動。内定を得た(株)西山酒造場は、立地から最初少し迷ったが、職場の温かさに心動かされ入社を決意した。仕事では清酒のほか蒸留酒の製造も担当。蒸留酒部門の中心メンバーとして活躍している。

一覧に戻る